#08旅人VOICE 平戸祐介さん(ピアニスト)-1

そうだ、長崎のとっておきの話をあの人この人に聞いてみよう。インタビューするのは長崎にゆかりのある、長崎愛に溢れた人たち。名づけて「NAGASAKI知る人VOICE」。あなたが想う、長崎のとっておきを教えてください!!

あなたの長崎愛、聞かせてください。インタビューしたのは…?
 

平戸祐介

平戸祐介

平戸祐介
Yusuke Hirado
ピアニスト / 作曲家 / プロデューサー / 神奈川県鎌倉市在住

長崎市生まれ。父親の所有する膨大なジャズ・レコードを聴きながら育ち、中学生の頃からジャズピアニストとして活動を開始。高校卒業後渡米し、NYにあるニュースクール大学ジャズ科に進み、Walter Bishop Jr.に師事する。1995年にはRichard Davis (Bs), Winard Harper (Ds)と共演、日本ツアーで成功を収める。大学卒業後に帰国、上京し、quasimodeを結成(2015年に活動休止)。国内外屈指のアーティスト群と共演を果たす。2012年に自身初となるソロ作品「Speak Own Words」をリリース。2015年、ピアノソロアルバムの決定盤2ndアルバム 「Voyage」をリリース。2017年、ソロプロジェクト「Yusuke Hirado Prospect」、2023年末には自身のレーベル、GENESIS RECORDINGS始動。
2020年、長崎・出島において音楽、アート、教育などを通じて長崎市の魅力を史跡出島から国内外へワールドワイドに発信するべく、音楽事業 デジマ・ミュージック・ヘリテイジを設立。2023年11月、都市型フェス“長崎シティジャズ”を設立し、総合プロデューサーに就任。
FM長崎にて「YUSUKE HIRADO MUSIC HORIZON」(毎週金曜 21:00〜21:55)放送中。
Official Websaiteyusukehirado.net
Instagram@yusuke.hirado_fillmore

ー生まれも育ちも長崎市とのこと。いつまで長崎で暮らしましたか?

高校を卒業し、ニューヨークにある大学のジャズ科に進学するまで、長崎市内で暮らしていました。眼鏡橋のある魚の町で生まれ、青春時代は諏訪神社のお膝もと・新大工町で過ごしました。土地勘のある人だとイメージできると思いますが、じつはシティボーイです(笑)
当時、僕が小学生になる頃まで父親がジャズ喫茶「COMBO」を経営していて、母親がクラシックピアノ教師だったこともあり、4歳からピアノの基礎を学ぶような環境で育ちました。ジャズを好きになるきっかけは、生まれながらにして導かれていたのかもしれませんね。

 

―18歳まで過ごした長崎市の思い出を聞かせてください。

それはもう、たくさんあります。中学生になるとジャズピアニストとして活動し始めるんですが、ジャズ一辺倒の生活だったかといえば、それだけは語り尽くせません。「長崎くんち」には幼稚園生の時、小学3年生の時、小学6年生の時……じつは3回、諏訪神社で行われる奉納踊の演者として出演しているんですよ。踊町の当番は7年に一度しか回ってこないんですが、魚の町、新大工町といった風に引っ越したので、運よく3回も経験することができました。平戸家、地元愛の深い“くんちバカ”だったんです。
 

当時の記憶を辿ってみると、長崎市内で過ごした思い出はほかにもたくさんあります。毎日5時間ぐらい、ピアノの練習をしながらも、小学生の頃は地元の野球クラブに入って伊良林小学校の校庭で野球をしていたし、中島川沿いで父親や友人とキャッチボールをした後、ちりんちりんアイスを食べるのも日常のひとコマでしたね。高校は海星高等学校に通いました。東山手地区にある学校だったので周辺に歴史的建造物が多く、改めて振り返ってみると、“異国情緒豊かなまち・長崎”ならではの登下校中の経験だったんだなぁと思います。高校時代、初夏に行われる“ペーロン”(長崎ペーロン選手権)の時期に崎戸で船を漕いだこともありましたよ。青春時代を過ごした長崎には、語り尽くせないほど多くの思い出がありますね。

―高校卒業後に渡米。ニューヨークにある大学のジャズ科に進み、ピアニストとしての研鑽を積んだ後、帰国。東京でジャズバンド「quasimode」を結成し、ソロプロジェクトも始動。日本のジャズ・クラブシーンを牽引し、多岐にわたってご活躍されていますよね。再び、生まれ育った長崎とのつながりが深まったきっかけは何でしょうか?

FM長崎で「YUSUKE HIRADO MUSIC HORIZON」(毎週金曜 21:00〜21:55)が始まり、そのパーソナリティを務めさせてもらったことですね。2015年に始まり、今も毎週、オンエアしています。番組のオープニングで長崎の旬な情報について話したりするのですが“長崎のいま”を知るにつけ、郷土愛が深まっていき、生まれ育ったまちを盛り上げたいと思うようになりました。音楽を通して人と人を繋ぎ、持続可能な未来に貢献できたら嬉しいなぁっていう。
 

そんな思いから、2020年に音楽事業「DEJIMA MUSIC HERITAGE」を立ち上げました。ジャズを中心としたイベント開催を通して、長崎市の皆さんに本物を味わっていただければと思っています。まだまだ微力な事業団体のひとつにすぎませんが、長崎市を心から愛する気持ちを持ち続け、ひとりでも多くの方々、企業や団体の賛同を得ながら一歩ずつ前に進んでいければと思っています。

2023年11月には、長崎駅周辺まちづくり推進協議会の取組みとして、2023年に新しくスタートした「NAGASAKI CITY JAZZ」の総合プロデューサーにも就任しました。第一弾企画として、12月9日~10日の2日間に渡り、僕らプロ奏者や地元のアーティスト、中学・高校吹奏楽部の演奏など、さまざまなプログラムを用意したジャズイベントを開催(会場はアミュプラザ長崎 かもめ広場、多目的広場)。おかげ様で両日通じて8万人の方々にご来場いただき、音楽の力で”街”と”人”をつなぐイベントになったと思います。今後も精力的に活動していきます。

 

―郷土愛に溢れる平戸さんの思い、伝わりました。最後の質問です。県外の人におすすめしたい長崎のポイントは?

海外との交流によってさまざまな文化が生まれ、育まれてきた長崎には“和華蘭(わからん)文化”が市内の至るところに根づいています。観光で訪れるなら、ぜひ歴史ロマンに多く触れてもらいたいですね。長崎市はまち歩きをするだけで多くの異国情緒と出会うことができます。例えば、2023年は日本を世界に紹介した偉人・シーボルトの来日から200周年でした。シーボルトが歩いた出島から鳴滝までの足跡を辿ってみると、ひと味違う旅になるかもしれませんね。

シーボルト200周年記念事業|デジタル展覧会

あとは王道のコースですが、幕末に外国人居留地として整備され、現在も石畳や洋館が点在する東山手地区を巡る旅もおすすめです。居留地時代の面影や風景と多く出会えますから。長崎、控えめに言っても……とっても素敵なまちです!

 

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市民に聞いたとっておきの長崎

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