長崎の文化を体感しよう!1年中楽しめる長崎市の祭り10選
異国情緒たっぷりの長崎市。その特徴はお祭りにも!世界の異文化を存分に堪能できるお祭りから、日本の伝統や風習を大切に守り続ける行事まで、他の地域では見られない多種多様なお祭りが揃っています。季節ごとにお祭りがあり、1年中楽しめるのも魅力のひとつです。
長崎を訪れて、見応え満載のお祭りを体感してみませんか?
長崎ハタ揚げ大会(4月上旬から5月上旬)
長崎くんち、精霊流しと並ぶ長崎の三大行事のひとつ、「長崎ハタ揚げ大会」。毎年4月上旬から5月上旬にかけて開催されます。
「ハタ」とは「凧」のこと。
長崎の凧(ハタ)は、出島のオランダ人の従者として来ていたインドネシア人たちから伝わったと言われており、18世紀頃からハタ揚げ合戦がはじまったとされています。
ハタは2本の骨を十文字に組み合わせたひし形。和紙の地色である白・青・赤が基本となっていて、万国旗や家紋、鳥、オランダ文字など、伝統的でシンプルな紋様の図案が空高く舞い上がります。
高く揚げる凧揚げとは異なり、ハタ揚げ大会は他のハタと掛け合って相手のハタの糸を切るハタ合戦!ガラスの粉をのりで固めて麻糸「ヨマ」に塗りつけた「ビードロヨマ」という特別な糸で相手のハタの糸を切り、ハタを落とすというものです。空に揚がったハタを風を読みながら上へ下へと自由自在に操り、相手のハタに掛け合います。切るか切られるかの真剣勝負!
切られて落ちたハタは拾った人のものになるため、切れた瞬間ハタをめがけて観客が走り出す光景もハタ揚げ大会ならでは。参加者も観客も一体となって白熱するお祭りです。
会場は風頭や稲佐山、金比羅山に唐八景。長崎市街地を取り囲む山々で開催されます。数十種類もの柄のハタが上空に舞い上がる風景は壮観!ハタ揚げ名人による模範演技や親子ハタ揚げ教室など、イベントも楽しめます。
長崎帆船まつり(4月下旬)※2023年春の開催は見送りが決定しております
[お知らせ]2023年春の開催は見送りが決定しております
2000年の日蘭交流400周年を記念してはじまった「長崎帆船まつり」。毎年4月下旬、日本内外より数々の帆船が長崎港に集結します!
パレードで入港する帆船たち。船のマストに張られた白い帆が風になびく姿は壮観!その迫力とフォルムの美しさは、帆船ファンのみならず見るものを魅了します。
期間中は普段は入れない船内を見学できる「船内一般公開」や、帆船に乗って長崎港内を巡る「体験クルーズ」など体験型イベントもたくさん。帆船の楽しさや魅力を満喫できます!
夜には帆船がライトアップ。イルミネーションを施した帆船が浮かび上がり、夜の長崎港を彩ります。昼間とは異なる幻想的な帆船の姿もお楽しみください。
ながさきみなとまつり(7月の最終土・日曜日)
毎年7月の最終土・日曜日に開催される「ながさきみなとまつり」。
市民や訪問客が港に集い、まつりを通して長崎の海と港のすばらしさを再認識してもらうことを目的に行われる、長崎の夏を代表するお祭りです。
会場となる長崎港や長崎水辺の森公園にはたくさんの出店が並び、美味しそうなグルメがずらり。ステージではダンスや歌のパフォーマンスが繰り広げられ、会場は大いに盛り上がります!
クライマックスは華やかな打ち上げ花火。2日間でなんと16,000発もの花火が打ち上げられ、長崎の夜空を色鮮やかに染めていきます!音楽と光のハーモニーを体感できるミュージック花火鑑賞や長崎最大級の「15号玉花火」など、盛り上がること間違いなし!
会場から見ても綺麗ですが、稲佐山やグラバー園から美しい夜景と花火を両方満喫するという楽しみ方も。少し離れて見る花火もおすすめです。
ながさきみなとまつりが開催される日曜昼間には「長崎ペーロン選手権大会」も行われます。勇壮な「ヨーイサー」の掛け声とともに、長崎の夏を存分にお楽しみください。
長崎ペーロン選手権大会(7月の最終日曜日)
長崎港で開催される「長崎ペーロン選手権大会」。毎年7月の最終日曜日に行われる長崎の夏の風物詩です。
「ペーロン」とは、中国の白龍(パイロン)が語源となっている細長い舟のこと。長崎港に停泊中の唐船が暴風雨により大きな被害を受けた際に、在留の唐人たちが海神の怒りを鎮めようと端舟(はしけ)を借り集めて、長崎港で競漕したことがはじまりとされています。それから360年以上続く、歴史ある伝統行事です。
ペーロンの長さは約14m。細長い弓形の船に漕ぎ手26名、太鼓・ドラ・舵手・采振り・あか汲みなどをあわせ、計30名が乗り込み、往復1,150mの距離を競漕します。
威勢のいい太鼓やドラが海に鳴り響き、「ヨーイサー」という掛け声に合わせて櫂(かい)を漕ぎ、力強く前へ進む舟。その迫力と水しぶき、レースの緊張感に応援団の大きな声援が加わり、会場は熱気に包まれます!
当日は無料体験ペーロンも実施。また、同日開催で「ながさきみなとまつり」も行われます。
長崎の熱い夏をぜひ会場でお楽しみください!
中島川夏風情~長崎夜市(8月上旬と下旬の土日)
毎年8月の上旬と下旬の土・日曜日に開催される「長崎夜市」。
長崎市を流れる中島川の両岸で開催されるこのイベントは、江戸時代より長崎町人たちが、物流の要所だった中島川に感謝した「川まつり」の伝統を受け継いで開かれています。
夜市の風景はなんとも情緒豊か。ライトアップされた眼鏡橋やおよそ200個の提灯が中島川を彩り、レトロな雰囲気がお祭り気分を演出します。
川の両岸にずらりと並ぶさまざまな出店で長崎グルメを楽しんだり、眼鏡橋周辺で行われる音楽ライブやダンスパフォーマンスを楽しんだり、川沿いを散歩したりと、盛りだくさんな長崎の夕暮れを堪能しましょう!
精霊(しょうろう)流し(8月15日)
毎年8月15日に行われる「精霊流し」。
初盆を迎えた故人の家族が、故人の霊を趣向を凝らした手造りの船に乗せて街中を練り歩き、「無事に極楽浄土までたどり着けるように」という願いを込めて送り出す長崎の伝統行事です。
「精霊船(しょうろうぶね)」と呼ばれる船は、主に竹や板、ワラで造られ、盆提灯や花飾りなどが豪華に飾りつけられます。ラッパのような形で長く突き出した船首(みよし)には家紋や家名、町名が大きく記されます。船は数十cmほどのものから、祭りの「山車」を思わせるほど大きなものまで、大きさもさまざま。
盆行事なのでしめやかな雰囲気かと思いきや、長崎の精霊流しは派手で華やか!
夕暮れ時になるとあちらこちらから「チャコンチャコン」という鐘の音と「ドーイドーイ」の掛け声が。そして大量の爆竹の轟音と花火の光!精霊船の到着場所である「流し場」まで、爆竹を鳴らしながら夜遅くまで練り歩くので、街は火薬の煙と匂いに包まれます。
長崎らしいお盆の行事にぜひ足を運んでみてください。
長崎くんち(10月7日から9日)
毎年10月7日から9日の3日間にわたって行われる、長崎の氏神・諏訪神社の秋季大祭「長崎くんち」。
江戸時代に2人の遊女が諏訪神社の神前に謡曲「小舞」を奉納したことがはじまりとされ、その後380年以上続いている長崎の伝統あるお祭りです。
龍が飛んでいるかのように舞う「龍踊(じゃおどり)」や太鼓に合わせて音頭をとって山車を担ぐ「太鼓山(コッコデショ)」のようにダイナミックで勇壮なもの、優雅な美しさで魅了する日本舞踊の「本踊」、ユーモラスな演出の「阿蘭陀万才(おらんだまんざい)」など、中国や南蛮文化の影響を色濃く残したものに日本の文化が混ざる、まさに長崎の『和華蘭文化』を感じる独特な雰囲気を味わえます。
華麗な演し物にアンコールを意味する「モッテコーイ」の掛け声が響き渡ると、会場の熱気も最高潮に!
会場(踊場)は、諏訪神社、お旅所、八坂神社、中央公園の4ヶ所。そのほか、「福のお裾分け」「お祝い」にと、市内の会社や官公庁、各家の前などに演し物を呈上しにいきます。お気に入りの演し物が間近で見られるチャンスです!
エキゾチックで豪華絢爛な長崎くんちを存分にお楽しみください。
竹ん芸(10月14日・15日)
若宮稲荷神社の秋の大祭で奉納される伝統芸能「竹ン芸」。毎年10月14日、15日に開催されます。
竹ん芸は神社の境内で行われるダイナミックな曲芸。2本の竹、高さ約10mの2本の竹を舞台に、白装束に狐(きつね)面をつけた若者2人が曲芸的な演技を披露します。
この演技は、神社の使いである白狐が若宮神社の御神徳をよろこんで、竹やぶで遊び戯れる様子を表現しているもの。曲芸の舞台となる竹は、カセと呼ばれる足かけ棒が15本つけられた「昇り竹」と、カセが4本の「振り竹」が台に取り付けられているだけ。笛や太鼓(しめだいこ)、三味線のお囃子と掛け声にのせて、逆上がりや吊り下がりなど空中曲芸を繰り広げます。次から次へと両手を離したり逆立ちする姿に、集まった観客は手に汗握り、大きくしなる竹に息をのみ、演技が決まると大歓声が上がります。
竹ん芸は昼と夜の回があり、それぞれ違った魅力に出会えます。青空の下でダイナミックに舞い踊り、夜空で妖艶に魅せる白狐の人間離れした曲芸をぜひともご堪能ください。
丸山華まつり(11月第二土・日曜日)
丸山華まつりは、2001年からはじまった「梅園身代わり天満宮」のお祭り。毎年11月の第2土・日曜日に開催されます。
かつて遊女や芸者などが集まる『花街』として栄えた丸山で行われるこのお祭りは、花街文化を伝えていく女性が主役。
1番の見どころは、花街時代を彷彿とさせる華やかな「花魁(おいらん)道中」です。美しく着飾った花魁が丸山町を練り歩きます。黒い高下駄を八の字を描くようにしゃなりしゃなりと歩くさまに目を奪われ、まるでタイムスリップしたかのよう。
また、奉納踊りでは長崎検番の芸妓衆が華麗に舞い、観客を魅了。女性のみでかつぐ女神輿(おんなみこし)は、あでやかで勇ましい姿がお祭りを一層盛り上げます。
ぜひ足を運んで見てみてください。
【ご注意】
写真撮影はマナーを守り他の皆さんの迷惑にならないよう、ご協力願います。
なお、係員の指示に従わない場合はその時点で花魁道中ほかすべての行事を中止する場合がございます。
また、至近距離での撮影はお控えください。
長崎ランタンフェスティバル(1月下旬から2月下旬)
長崎の街がランタンで埋め尽くされる「長崎ランタンフェスティバル」。中国の旧正月を祝う「春節祭」を起源としたお祭りで、毎年中国の春節にあわせた1月下旬から2月下旬の約2週間開催される、長崎の冬の一大イベントです。
メイン会場の新地中華街会場(湊公園)をはじめ、中央公園、浜んまちなど7つの会場や市内中心部に約15,000個のランタン(中国提灯)が飾られ、長崎の夜が色鮮やかに輝きます。
期間中はさまざまなイベントを開催。見どころの1つは約15,000個のランタンが一斉に灯る点灯式!一瞬で街中が極彩色に彩られる光景に観客から歓声があがり、きらびやかなお祭りがスタートします!
各会場では中国色豊かなイベントが目白押し。皇帝と皇后が民衆たちとともに練り歩く「皇帝パレード」は豪華絢爛で、カラフルな中国衣装は必見です。そのほか、龍踊り、中国雑技や中国獅子舞など、中国の歴史や伝統文化を体験できる貴重なイベントもお見逃しなく!
また、ランタンのトンネルや市内各所に置かれたランタンオブジェなど、思わず写真を撮りたくなるスポットもいっぱい!眼鏡橋周辺では石造りのレトロな橋と水面にゆらめくランタンの灯りとのコントラストがなんともフォトジェニックです。
華やかで幻想的なランタンの灯りと長崎の冬を心ゆくまでお楽しみください。