上陸ツアーでめぐる!海上の世界遺産「軍艦島」-1

上陸ツアーでめぐる!海上の世界遺産「軍艦島」 上陸ツアーでめぐる!海上の世界遺産「軍艦島」

明治の近代化を支えた炭坑の島、端島(はしま)。「軍艦島」の通称で知られ、高層鉄筋コンクリートアパートが建ち並ぶ独特な雰囲気から数多くの映画やドラマのロケ地としても使われてきました。
今回は上陸のためにガイド付きのツアーに参加して、軍艦島を徹底ガイド!海上炭坑都市の魅力に迫ります。

世界遺産「軍艦島」とは?

長崎港の沖合18.5kmに浮かぶ軍艦島。ここは2015(平成27)年に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の1つとして世界文化遺産に登録された小さな島です。
江戸時代に良質な石炭が発見され、1890(明治23)年に三菱によって買収されたことを機に本格的な採掘がスタートしました。岩礁にすぎなかった島は護岸が整備され、埋め立てによって拡張。鉄筋コンクリート造りの建物が建ち並び、みるみるうちに人工島に。その全景が長崎造船所で作られた「軍艦土佐」に似ていることから、「軍艦島」と呼ばれるようになりました。

最盛期には約5300人が住んでいたという軍艦島。当時三種の神器といわれた電化製品の普及が速く、なかでもテレビの全国普及率は当時10%ほどでしたが、軍艦島ではなんと100%。映画館やパチンコ店といった娯楽施設もそろい、坑員の給与は公務員の平均給料の1.5~2倍といわれ、裕福な暮らしぶりだったことがわかります。
その後、エネルギー革命により石炭産業が衰退。軍艦島は1947(昭和49)年1月に閉山し、わずか3カ月後には無人島に。島内には廃墟となった鉄筋コンクリート造りのアパートや炭坑の生産跡地が残り、かつての暮らしの気配と日本の近代化の歴史を静かに伝え続けています。

上陸するにはクルーズツアーへの参加がマスト

軍艦島に上陸するためには各船会社が開催しているガイド付きツアーへの参加が必須です。現在上陸ツアーが許可されているのは全部で5社。いずれも午前便、午後便の1日2便で運航しています。
軍艦島への上陸の他、船の上からじっくりと軍艦島を眺める海上周遊や軍艦島にゆかりがある高島への上陸など、上陸以外の楽しみをプラスしたツアーも開催されています。万が一上陸ができなかったときでも軍艦島の魅力に触れ、充実した時間が過ごせます。

軍艦島上陸ツアーを実施している5社はこちら

船の仕様やツアー内容などは、各社のHPをチェック。いずれも事前予約が必要です。
※島への上陸には、波高が0.5m以内、風速が秒速5m以内であることなど、安全を守るための基準が設けられており、条件がそろわない場合は上陸することができません。

■やまさ海運
https://www.yamasa-kaiun.net/
■軍艦島コンシェルジュ
https://www.gunkanjima-concierge.com/
■高島海上交通
https://www.gunkanjima-cruise.jp/
■シーマン商会
https://www.gunkanjima-tour.jp/
■第七ゑびす丸
http://www.7ebisumaru.com/

クルーズに出発!到着までは、世界遺産と長崎の歴史に耳を傾けて

軍艦島までの片道約40分の間に、周辺にある8つの世界遺産についてガイドが解説。なかには船からその姿を眺められるものもあり、明治以降の近代化や長崎の歴史を学べます。

出航後、最初に見えてくる世界遺産は「ジャイアント・カンチレバークレーン」。150tの吊り上げ能力があり、約110年間現役で活躍し続けています。「三菱長崎造船所 第三船渠」も、現役で使われている世界遺産。1905(明治38)年の完成当時は東洋一のドックとして知られていました。ほかにも江戸時代前期にキリシタンが潜伏していたという神ノ島では、禁教令が解かれたあとに建立されたという神ノ島教会や、高さ4.7mのマリア像も船上から見ることができます。

周遊で立ち入り禁止区域の建物を海上から見学

軍艦島に近づいたら、まずは周遊で船のうえから立ち入り禁止区域の建物外観を見学します。
「子供たちが太陽をたっぷりと浴びられるように」と窓が大きく作られた端島小中学校は、海沿いに建つためその姿をしっかりと見ることができます。学校の奥には、当時313世帯が生活していたという島随一のマンモスアパートである65号棟も。さらに西側へ進むと、地下にパチンコ店があったという48号棟、植物を知らない子供たちのため、屋上に「青空農園」が作られた18、19号棟などが並びます。これらの居住区域の建物が見られるのは、海上での周遊タイムのみ。
ぐるりとめぐったあとは、もっとも軍艦の形に見えるという西側の沖合に移動し撮影タイムも楽しめます。

いよいよ軍艦島に上陸!主力生産施設があった2つの見学所をめぐる

接岸のための安全基準の確認後、唯一の船着き場であるドルフィン桟橋から軍艦島へ上陸。ガイドの案内で3つの見学所をめぐります。
まずは目の前に廃墟と化した建物群を眺めながら第1見学所へ。貯炭場などの生産施設や主力坑だった第二堅坑の関連施設跡などを見学。ベルトコンベアーの支柱や崩壊した建物がそびえ圧巻の景色が広がります。丘の上には重役が住んでいたという3号棟も見ることができます。

第1見学所から第2見学所に向かう途中には、世界遺産のコアとなる「天川の護岸(あまかわのごがん)」が間近に見られます。
明治期に作られた石積み工法で、軍艦島独特の景観を生み出しています。第2見学所では、採炭場へのケージを昇降させる巻揚機を設置していた赤いレンガの捲座跡のほか、炭坑の中枢を担っていたという赤レンガの総合事務所跡を見学します。

上陸クルーズのハイライト!第3見学所の「30号棟」に到着

一番の見どころは、今にも崩れそうな姿に思わず息をのんでしまう「30号棟」。1916(大正5)年に建てられた日本最古の鉄筋コンクリート造りの高層アパートで、第3見学所から眺めることができます。
ロの字型になった吹き抜けの6階建てで、当時ではモダンなデザインだったそう。30号棟はすでに宣告された余命を超えており、いつ倒壊してもおかしくない状態といわれています。その向かいには、島民の憩いの場であったプール跡も。軍艦島では海での遊泳が禁止されていたため、海水を組み上げたプールを利用したというから驚きです。

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