あいはちのはか 愛八の墓
『長崎ぶらぶら節』で全国区になった名妓
直木賞を受賞したなかにし礼の小説『長崎ぶらぶら節』の舞台で、一躍全国区となった長崎丸山花街跡。映画では吉永小百合が扮した主人公・愛八(あいはち)は、明治時代に実在した丸山芸者・愛八こと松尾サダです。
1874年西彼杵郡(にしそのぎぐん)日見村(現:長崎市網場町)の静かな漁村生まれで、わずか10才で丸山の芸者見習い奉公に出ました。17才で「愛八」としてお披露目。三味線や長唄などの芸に優れ、すぐに人気芸者になり、さらにきっぷのいい竹を割ったような性格と人情に厚く正義感の強い女性として知られ、周りから慕われていたそうです。
愛八57歳の時に、長崎の代表的民謡『ぶらぶら節』をはじめ10曲を歌ったレコードを出し、長崎の民謡が全国に知られ大流行しました。その歌声は、現在「中の茶屋(清水崑展示館)」で聞くことができます。
1933年59歳で亡くなり、学者・古賀十二郎よって取り仕切られた愛八の葬儀には、名妓(めいぎ)の死を惜しんで地元の人をはじめ、愛八の愛した相撲や芝居の立て役者からも弔意が届き、盛大なものになったと地元紙の記事に残っているそうです。
中の茶屋から左手の中小島公園前付近から約400m歩くと、長崎女子高校の先に墓地があり、その一角に「愛八の墓」があります。小説や映画を見たと思われるファンが今もなお訪れ、花をたむけています。
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基本情報
住所 | 長崎県長崎市上小島町 |
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交通アクセス | 路面電車/「長崎駅前」電停から(崇福寺行き)乗車、終点「崇福寺」電停下車、徒歩約10分 バス/長崎駅前東口バス停からバス(50番・55番・80番)で約10分、崇福寺入口バス停下車、徒歩10分 |
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