冬の長崎は、
「来てよかった」が口ぐせです。

特集
冬にしかできない長崎

きらめくイルミネーションもいいけれど、長崎にはふわりと光るランタンと、澄んだ空気に浮かぶ夜景がある。
夏のイメージの強い海には、冬は夕日が早く沈み、漆黒の空に広がる星の舞台になる。
熱々の中華まんを片手に歩き、お湯割りと長崎おでんで温まったら、冬の長崎は「来てよかった」が口ぐせです。

長崎市内がオレンジ色の暖かな光で
埋め尽くされる二週間

中国の旧正月に合わせて中華街で始まった「春節祭」が街全体に広がり、アーケードや眼鏡橋まで極彩色のランタン約15000個やふわりと光る巨大オブジェでいっぱいになる長崎の冬の名物。毎年100万人を集めていた大人気イベントが1月22日(日)~2月5日(日)に3年ぶりに開催されます。公園等に設けられていたステージでのイベントの代わりにストリートイベントを展開する予定で「皇帝パレード」や「媽祖(まそ)行列」も再開される見込みです。

長崎ランタンフェスティバル 
長崎市中心部一帯 095-822-8888(長崎市あじさいコール)
https://www.at-nagasaki.jp/lantern-festival

グラバー園帰りに冬の澄んだ空気で夜景を

世界新三大夜景のひとつ、長崎。鍋冠山は、ロープウェイが運行していて有名な稲佐山に比べ、標高が低くて街並みを近くに感じられるのが特徴。展望台付近までは公共交通機関がなく、駐車場もわずかですが、斜行エレベーター「グラバースカイロード」から頑張って歩いて登る価値はあります。寒い夜に息切れしながらも、体がほくほく温まることでしょう。

鍋冠山展望台 長崎市出雲 
https://www.at-nagasaki.jp/yakei

魚種日本一の長崎おでんは、
出汁も蒲鉾も極上です。

長崎の蒲鉾「かんぼこ」をあごだしスープで煮込んだ「長崎おでん」をアピールしようと、飲食店やかんぼこ屋さんなどで「長崎かんぼこ王国」を結成しました。ゆで卵1個を丸々かんぼこで包み、真っ二つに切ると目玉のように見える「竜眼」や、柚子胡椒を添えて食べるのも長崎おでんの特徴のひとつ。鍋を囲んで、おいしく楽しく温かくいただきましょう。

長崎かんぼこ王国推進委員会(長崎蒲鉾水産加工業協同組合)
長崎市京泊3-16-33 095-850-1101 
https://kanboko-oukoku.jp/

温泉が絶景なら、疲れはもっと癒される。

大浴場にある大きなガラス張りの向こうに広がる海!五島灘に浮かぶ軍艦島はもちろん、太陽が沈む夕景、夜空の星々をいっぱいに堪能しながら、湯船で暖まりましょう。温泉は、炭酸濃度1000ppm以上という国内でも珍しい高濃度。メタケイ酸も含んでおり、疲労の回復、冷え性、美肌にも効果があるとされています。お食事処で地元の海鮮もどうぞ。

天然炭酸温泉のもん湯 長崎市野母町692-1 
10:00~21:00(最終受付20:30) 
第3水曜定休 入浴料金:平日は大人580円/3歳〜小学生270円 
土日祝や年末年始等は大人690円/3歳〜小学生320円 会員割引あり

水揚げされる地なら
トラフグがこの手軽さとおいしさ

2月末までの「戸石とらふぐ料理フェア」では、長崎市東部の静かな橘湾で育ったトラフグを使った料理が市内32店舗で味わえます。「食処ぎん」のコースでは、刺身の他に珍しい「焼き」がいただけます。さばきたてでまだピクピクしている身を網焼きで。「旬彩庵 文」のふぐちりでは、フグだけでなく地元の季節野菜も合わせて楽しみましょう。定番の唐揚げもぜひ。

食処ぎん 長崎市岩川町13-13 
095-844-3573 
18:00〜22:30(LO22:00) 
日祝日は18:00〜22:00(LO21:30) 月曜定休
旬彩庵 文 長崎市船大工町6-10-1F 095-821-2616
17:30-24:00 水曜定休(予約4人以上で営業)
フェアの問い合わせは長崎市水産農林政策課095-820-6568
https://ngs343.com/

食べ比べればこんなに違うちゃんぽんの世界

寒い冬に体を温めてくれる、長崎市内の多くの店で食べられるちゃんぽんは、実は店ごとに全然味が違うんです。その奥深い世界に魅了された面々が「長崎ちゃんぽん部」を結成し、自ら食べ歩いて取材した冊子「長崎ちゃんぽんぼんVOL.1」がついに完成。この本を片手に食べ歩き「#長崎ちゃんぽん部」をシェアして、「#長崎ちゃんぽん部」を一緒に創っていきませんか?

外へ出かけたくなる冬がある

長崎は冬のあたためかたを
知っている

長崎の冬は、寒さを避けて部屋にこもるより、温かさを求めて外へ出かけるほうがいい。
和で始まって、華で華やぎ、蘭で締めくくる。和・華・蘭の融合文化をもつ
「暮らしのそばに、ほら世界。」の長崎市には、朝から晩まで冬の気持ちをあたためてくれる冬があります。

01

breakfast

コーヒー伝来の地・長崎は
おいしいお店の宝庫

西九州新幹線開業を機にどんどん風景が変わる長崎駅前。その移り変わりを眺められる立地にあるコーヒーショップで、淹れたてのモーニングコーヒーはいかが。朝8時の開店から午前10時までは特別価格の200円で提供。長崎駅からの新幹線やターミナルからの高速バスで旅立つ人はもちろん、これから市内観光へ出かける人、あるいは長崎へ到着したばかりの人もほっと一息つけるひとときを。季節のデザートも合わせてどうぞ。

NGS COFFEE 
長崎市大黒町2-5 095-895-5727 8:00〜20:00

02

activities

5分の着付けで一日タイムスリップ

鎖国期〜明治期の雰囲気ただよう出島の中を、着物姿で散策するのはいかがでしょう?出島の中にあるヘトル部屋2階の「出島はいからさん」では、着物に慣れない人でも着やすい仕組みの着物が用意されており、手ぶらで訪れても5分で着付けが完成。別料金で刀や番傘の貸し出しもしています。袴や浴衣を着るプラン、出島の外に出て街中へも着物姿で出歩けるプランもあります。普段の洋服姿と違った自分を再発見できるかも。

出島はいからさん 長崎市出島町6-1ヘトル部屋2階 
080-7492-7275 10:00~17:00(最終受付16:00) 年中無休

03

lunch

日替わり粥で暖まり、
本格中国茶をお土産に

長崎新地中華街での食事というとちゃんぽんや皿うどんになりがちですが、食べ過ぎがちな旅の途中には、お腹にやさしい中華粥を。中華街中心部に近い中国雑貨店「泰安洋行」の2階のカフェでは、干し貝柱や干しエビ、薬膳などの日替わり粥のランチが楽しめます。点心や蒸し野菜、味や香りがさまざまな中国茶がセットになって体が暖まります。帰りには、1階の店舗で、お土産に最適な本格中国茶や中華菓子、衣料・雑貨をどうぞ。

茶房泰安洋行 長崎市新地町10-15-2F 095-821-3455 
11:50〜15:30(OS14:45) 火曜定休
※中国茶は入荷状況により取扱内容が変わります

04

snack

アツアツは、寒い日のごちそうです。

カリカリの皮とジューシーな肉汁!中国出身のオーナーが女性・母親目線で、上海のソウルフード「焼き小籠包」を長崎流にアレンジしました。中に入っているのは、雲仙山麓の豚肉をベースに野菜や鶏肉の旨味が凝縮したスープですが、かぶりつくと熱々のまま飛び出てくるので注意。皮を少しだけかじって、そっと吸うのがコツです。寒さで冷えた体も温まります。海老入りや鶏肉入りの小籠包のほか、胡椒餅やご飯もの、麺類のメニューもどうぞ。

チャイデリカ銅座店 長崎市銅座町5-12 095-870-7443 
11:00〜21:00(火曜定休)
チャイデリカ長崎駅店 長崎市尾上町1-67長崎街道かもめ市場 
095-895-9908 8:30〜20:00(年中無休)

05

tourist spot 01

当時、中に入れたのは遊女だけ
でしたが、今は誰でも入れます。

江戸時代、唐船の密貿易に頭を悩ませた幕府が、出島の山手に造営したのが唐人屋敷です。出島の約2倍の広さがありましたが、塀で囲まれ、出島と同じように日本人の自由な出入りはできませんでした。しかし明治3年の火災で大半が焼失。現在は天后堂、観音堂、福建会館が残り、昭和に復元された土神堂も合わせて、街の一角に中国の雰囲気が残っています。この4堂をめぐる特別企画が、冬の長崎ランタンフェスティバルで開催されます。

長崎市館内町

06

dinner

小さくても、本場の魅力が
ぎゅっと詰まった中華街

江戸時代、唐から長崎に届いた貨物を納めていた蔵が火事になったことから、新しく蔵を建てるために作った埋立地が、現在の新地中華街。横浜や神戸よりは小振りの中華街ですが、中華料理店や土産物店など約40店舗がぎゅっと集まっています。十字路のそれぞれの入口にある門は、中国らしさを感じられるフォトスポット。水を呼び込む守り神、玄武が掘られている北門そばの会楽園では、夕食時は一人5060円からコース料理を楽しめます。

会楽園 長崎市新地町10-16 095-822-4261 
11:00~15:30(LO14:45)、17:00~21:00(LO19:50) 不定休

07

tourist spot 02

せっかくの長崎の夜だから、
一度に何軒も楽しもう。

地元の人と触れ合うなら、街角の飲み屋さんをバーホッピングするのがオススメ。銅座町のLOCALは、種類豊富なクラフトビールがある立ち飲み屋。外国人や観光客もよく見かけます。珍しいビールを飲んだあとは、オーセンティックバーのsakae barへ。壁にずらりと並んだボトルを眺めながら、希望の味を注文してみましょう。旬の県産フルーツを使ったカクテルもあります。お店探しは「ナガサキ飯」で。

LOCAL 長崎市銅座町7-8 095-823-0022 木曜定休
sakae bar 長崎市浜町8-20きむらやビル3F 
20:00〜27:00 不定休
ナガサキ飯 
https://gourmet.nagasaki-visit.or.jp/jp/shops/map/

MORE WINTER

1000万本の水仙で埋め尽くされる丘は、
まさに映え

長崎のもざき恐竜パークの一角にある「水仙の丘」では、冬には1000万本ものかわいい花が甘い香りを漂わせます。環境省の「かおり風景100選」に県内で唯一選ばれています。2023年1月7日〜22日には「長崎のもざき水仙まつり」が開催され、土日祝日には花束のプレゼントも。丘からは軍艦島も間近に望むことができます。

長崎市野母町562-1 095-893-1111(長崎市野母崎地域センター)

ピアスや小物をステンドグラスで自作する

長崎市東部の茂木地区にある小さな工房で、世界にひとつしかないインテリアオーナメントやアクセサリーを手作りしてみませんか。好きな色のガラスを選んで組み合わせ、さまざまな形にハンダ付けで仕上げます。寒い冬でも、室内で大切な人と逸品を作って心をほっこり温めましょう。アクセサリーやステンドグラス雑貨なども販売しています。

ガラス工房 Amber 長崎市北浦町2694-11 
090-5082-1115

外へ出かけたくなる冬がある

大人の冒険は北西にあり

朝、市内を抜け、202号線を北へ向かう。美しい海を左手に眺めながら走れば、遠藤周作の小説の舞台となった、
かつてキリシタンの潜んだ小さな集落が現れる。海を渡り、昭和の炭鉱跡をトロッコでめぐる。
帰り道のサンセットロードは夕日が海を赤く染め、夜は星空に乾杯する。大人を旅する長崎の一日は終わらない。

01

breakfast

車で22分

神浦港

フェリーで26分

地元の人でごった返してるのが
新鮮さの証

日本一の魚種数を誇る長崎魚市場の一角にある食堂。早朝から、市場で働く人や業者さんのお腹を満たしています。「観光客歓迎」の大きな看板もあり、一般客も安心して利用できます。人気の刺身定食には、市場で流通している8種類の刺身(季節や水揚げ状況による)がずらり。実は、新鮮な刺身はコリコリしているんです。海鮮丼などの人気メニューのほか、店内にずらりと並んだ一品料理を自由に組み合わせることもできます。

水産食堂 長崎市京泊3-3-1 095-850-3751 
6:00〜14:00(LO13:30) 日曜と長崎魚市場休業日休み
さしみシティ https://www.343city.com

02

activities

フェリーで26分

神浦港

車で6分

島に渡って炭鉱跡地で
トロッコアドベンチャー

かつて世の中でエネルギーとして広く使われていた石炭。長崎市の沖合に浮かぶ池島には、2001年まで九州最後の炭鉱が存在していました。今でもヘルメットをかぶってトロッコに乗り、ガイドの案内で坑道を歩いて機器操作の体験ができます。土日祝日には金属製の箱の「炭鉱弁当」を味わうことも可能(3日前までに要予約)。午前コースでは、オプションで島内の施設巡りもできます。日本の近代化を支えた島を訪れてみませんか。

池島炭鉱体験施設 長崎市池島町 0959-26-0888 
8:30~17:00 水曜、第2・4木曜、年末年始は定休
予約はインターネットからのみ
https://saruku.nagasaki-visit.or.jp/ikeshima/

03

tourist spot 01

車で3分

布教の前に、
困窮から救った神父がいた。

禁教時代、潜伏キリシタンが暮らした外海。小麦の栽培方法を教え、私財を投じて、教会だけでなくパン・マカロニ・そうめん等の工場を建設し、女性らの生活を経済的に支えたド・ロ神父。世界遺産の構成資産「外海の大野集落」にある大野教会は、26戸の信者と力を合わせて完成させた民家のような建物で、現地の石を使って神父考案の工法で作った「ド・ロ壁」が特徴です。帰りには当時の味を再現した「ド・ロさまそうめん」をお土産にどうぞ。

大野教会堂 長崎市下大野町2619(※内部は非公開)

04

lunch

車で8分

この店のためだけに訪れる人もいる
おいしさと雰囲気

大野教会堂への登り口に建つ築140年の古民家を、オーナーの小溝さんが12年ほどかけてリノベーション。古い木材や石壁が美しく仕上がっています。天窓や海側の大きな窓から太陽の光が暖かく差し込むカフェでは、カレーやキッシュの食事だけでなく、ケーキやコーヒーもいただけます。ポストカードやアクセサリーの販売に、ときおり素敵な音楽イベントの開催も。よく晴れた日には、目前に広がる玄界灘の向こうに五島列島の島陰が見えます。

cafe OZIMOC 長崎市下大野町2542 
050-7583-2734 11:00-17:00 火・水・木曜定休

05

tourist spot 02

車で30分

帰りには遠藤周作が
読みたい衝動に駆られる

遠藤周作文学館が外海にあるのは、本人の遺言で棺に収められたほどの代表作「沈黙」が外海を舞台に描かれたから。著書を読んだことがある人もない人も文学館では学芸員の話を必ず聞いてほしい。語ってくれる人間味あふれる遠藤周作の姿を知れば、その著書に触れたくなる。帰りは冬でも暖かい思索空間「アンシャンテ」で遠藤周作の金言に囲まれながら沈む夕日を眺めよう。

遠藤周作文学館 長崎市東出津町77 
0959-37-6011 AM9:00~PM5:00(入館受付PM4:30まで) 
休館日12月29日〜1月3日

06

tourist spot 03

車で15分

岩窟の中で海風を避けながら待つ夕日

長崎県の海岸線の長さは、なんと都道府県別で北海道に次いで2位。海に沈む夕日を楽しめるスポットがあちこちにあるということです。そのうち、市街地から離れた柿泊町の小白浜は西側に海が開けており、波に浸食されたために、食べ尽くしたリンゴの芯のように見える奇岩「りんご岩」があります。夕日が海に沈む時間帯は本当にフォトジェニック。かつては海水浴場でしたが、夕日スポットとしてはまだ穴場といえる隠れた名所です。

長崎市柿泊町

07

stay

暖かいドームテントの中から見上げる
満点の星空

ホテルの1室ではなく、大きなドームテントで自然に囲まれて過ごす「グランピング」をご存じですか?市街地から離れたあぐりの丘の一角に、長崎市内で初めて2020年オープンした新施設では、バーベキューや星空観察、専用のスパ&サウナが楽しめます。天体望遠鏡やホームシアター、焚き火セットの貸し出しも。冬でもあたたかい炎に当たりながら、家族や友人、そしてペットとも一緒にゆったりしたひとときを過ごせます。

グランピング リゾート グランゾ 
長崎市四杖町2671-1(あぐりの丘高原ホテル内) 
095-841-1111

MORE WINTER

海を眺めながら長崎食材を味わえる
一軒家レストラン

長崎市北部の琴海地区にある、大村湾を望む豚料理店。オーナーが地元の生産者らと深い関係性を築いて入手した肉・野菜、自ら獲った魚など土地に根差した食材に「手を添えるだけ」の考えを大切にした料理の味付けは、主に五島列島の塩。実家を改装した店内で、豚料理の原点で、店名の由来でもある祖母ミシさんから受け継ぐ長崎食材を楽しもう。

豚料理のお店missi 長崎市長浦町2559-9 
095-807-5739 
11:30-15:00(LO13:30) 17:00-21:00(前日までの要予約) 木・金曜定休

スイーツの食べ歩きに季節は関係ありません

アイスを長崎名物のカステラで挟んだ「長崎カステラアイス」。店の職人さんたちがコツコツ手作りで作っています。アイスはバニラをはじめ、びわやコーヒーなど7種類を展開中。冬でも、暖かいお部屋での冷たいアイスはさっぱりおいしくいただけます。観光地や商業施設での販売のほか、中通り商店街の店舗前にある自販機でいつでも買えます。

ニューヨーク堂
長崎市古川町3-17 095-822-4875 12:00〜17:00 不定休

PLAY NAGASAKI