長崎を「さるく」なら
季節は秋

特集
まだ知らない長崎に出会う秋

「さるく」とは「町をぶらぶら歩く」という意味の長崎弁。海と山の間の狭い平地に、港から上陸した
文化や食がひしめく長崎市は、心地よい海風がそよぐ秋こそ「さるく」のにちょうどいい季節です。
新たに開業する新幹線で、あなたの知らない「暮らしのそばに、ほら世界。」を探しに行きましょう。

新幹線の開業を、港を挙げて祝福する
今年限定の特別イベント。

例年、春の長崎港で帆をはためかせていた帆船が、今年は秋に帰ってきます。新幹線開業を記念した10月27〜31日のイベント「長崎ベイサイドフェスティバル」に日本丸、海王丸、観光丸が登場。ライトアップやクルーズ、船内公開があります。会場には帆船だけでなく佐賀のバルーンも現れ、試乗体験ができます。子どもが乗って楽しむミニ新幹線コーナーや、新幹線でつながる佐賀県嬉野市・武雄市の特産品販売、打ち上げ花火も予定されています。

長崎水辺の森公園 長崎県長崎市常盤町22-17 
10月27日(木)~ 31日(月)※29日、30日は花火を予定 
11:00 ~ 20:00(予定)

この価格でこのおいしさのトラフグこそが、
長崎です。

ふぐといえば山口県の下関が有名ですが、実は、養殖トラフグ生産量日本一は長崎県なんです。11月29日(いいふぐの日)から2月末まで「戸石とらふぐ料理フェア」と銘打ち、トラフグの刺身や唐揚げといった料理が市内各所の飲食店にて、地元価格で楽しめます。この鮮度、このおいしさで都会では考えられない価格。わざわざ訪れて損はないです。

長崎市水産農林政策課 095-820-6568

1時間長く遊べる長崎市が、開業します。

9月23日にいよいよ開業する西九州新幹線。長崎~博多を従来より約30分短い最速1時間20分で結びます。博多から来れば往復1時間も長く長崎を楽しめるということ。急ピッチで整備中の新しい長崎駅には名物が一同に会したかもめ市場も開業。車体に毛筆体で書かれた「かもめ」の文字と、赤い下帯をまとった真新しい6両編成の白い車体は長崎の新しい景色です。

かつての姿をほぼ取り戻したリアル出島

商館長ブロムホフの模型を元に2000年から順次建物の復元が進み、2016年の6棟復元と翌年の表門橋の復元でかつての姿を取り戻した出島。和洋が混在する建物の中を歩き、当時に触れられる膨大な展示を見れば、鎖国時代唯一の「外国」を感じることができます。復元以前に長崎を訪れた人にとっては、「本物の出島」の出現に心を奪われることでしょう。

出島 長崎市出島町6-1 095-821-7200
8:00~21:00 年中無休
入場料 大人520円/高校生200円/小中学生100円

日本の発展を支えた
当時の姿を残す世界遺産たち

幕末〜明治期に西洋から長崎へ入ってきた技術は、日本の産業を大きく発展させました。端島炭鉱(通称・軍艦島)や、造船所で今も現役のクレーンなどが世界遺産「明治日本の産業革命遺産」として登録されています。英国商人のトーマス・グラバーが暮らした旧グラバー住宅もそのひとつ。その一帯では9月17〜19日に「長崎居留地まつり」が開かれます。

長崎市観光公式サイト あっと!ながさき
https://www.at-nagasaki.jp/world-heritage/

〜発祥の地めぐり〜

長崎市って、
世界中の食や文化が上陸してる

鎖国時代にも唯一世界に開かれていた港町、長崎市に上陸した様々な食物や文化を訪ね歩けば、
観光スローガン「暮らしのそばに、ほら世界。」の理由が見えてきます。

01

morning activities

e-bikeで、
坂道を気にせず発祥の地めぐり。

長崎には様々な「発祥の地」があり、それらをebikeで見て回るのが新しい旅のカタチです。坂道が多い長崎の町もebikeがあればスイスイ、楽に移動ができます。まずは長崎駅前のROUTE BIKE & TOURSでebikeをレンタル。そして、長崎奉行所、医学伝習所、海軍伝習所、出島、鉄道発祥の地、気球飛揚の地、国際電信発祥の地、ボウリング発祥の地など、当時の文明開化を想像しながら発祥の地巡りを楽しんでください。

ROUTE BIKE & TOURS 長崎市西坂町5-14 
070-8343-1235 
9:00~18:00(※9月中は19:00まで)不定休

02

breakfast

「かうひい」が上陸したまちに、
あの人気店が上陸

江戸時代、出島に来たオランダ船が持ち込んだ「かうひい」が、日本におけるコーヒーの発祥と言われています。こだわりの喫茶店は数多くありますが、その中でも長崎市郊外の畦町にある人気カフェ、JUNE COFFEEが2022年6月、市中心部の浜町に出店しました。テイクアウトするお客さんが多め。コーヒーはもちろんのこと、角煮まんじゅうの岩崎本舗とコラボした「長崎スペシャルサンド」がオススメです。

JUNE COFFEE HAMANOMACHI 
長崎市浜町2-20 浜町2番街ビル1階 
10:30~18:30 年末年始休み

03

tourist spot 01

龍馬の“あの”写真を
撮った後に楽しむ曲芸

幕末の志士・坂本龍馬が台座に寄りかかって映っている写真は、あまりにも有名。その写真を撮ったのが、日本の写真の始祖と言われる上野彦馬です。この写真が撮られた上野撮影所跡には、龍馬が寄りかかっている台座のレプリカがあり、誰でも龍馬の気分になって写真におさまることができます。近くにある若宮稲荷神社では例年、10月14、15日に「竹ン芸」の奉納があり、高さ約11mの青竹2本の上でキツネ役の2人が曲芸を披露します。

上野撮影所跡 長崎市伊勢町4-14
若宮稲荷神社 長崎市伊良林2-10-2 095-822-5270 
※2022年の奉納は未定

04

lunch

発祥の店で、長崎港を見ながら
食べるちゃんぽん。

四海樓を明治時代に創業した陳平順氏が、中国からの貧しい留学生らの空腹を満たすために作り始めたのがちゃんぽんの始まり。麺の材料の小麦粉に唐灰汁(とうあく)を混ぜているのが特徴です。四海樓のちゃんぽんは、盛り付けのてっぺんに錦糸卵が乗せられているのがポイント。レストランにある大きな窓の外に広がる長崎港と稲佐山を眺めながらいただきましょう。2階には、ちゃんぽんの歴史を紹介するミュージアムもあります。

中華料理 四海樓 長崎市松が枝町4-5 095-822-1296
11:30~15:00/17:00~21:00(OS20:00) 
ちゃんぽんミュージアムは11:30~20:00 見学無料 不定休

05

dessert time

長崎では、
ミルクセーキは食べものです。

世の中ではミルクセーキは飲みものですが、長崎ではかき氷のようにスプーンですくって食べるもの。1925年に創業した九州初の喫茶店「ツル茶ん」が、卵や牛乳などを材料に作ったのが始まりで、市内の喫茶店などに広まりました。当初は暑い夏をしのぐための季節メニューとして広まりましたが、知名度が上がるにつれ、観光客の求めに応じて年中提供する店が増えました。てっぺんに乗った赤くてかわいいサクランボもポイント。

ツル茶ん 
長崎市油屋町2−47 095-824-2679 10:00~21:00

06

tourist spot 02

世界にひとつしかない
自分だけのグラスを作ろう

薄くて青白いガラス細工を長崎では「ビードロ」と呼びます。これはポルトガル語でガラスのこと。1570年に開港した長崎ではポルトガルとの交易が始まり、様々な文物が日本へ持ち込まれる中にガラスもあったとされています。南山手にあるガラス工房、瑠璃庵では「長崎びいどろ」としてグラスなどを製造、販売しています。吹きガラス体験では、溶けたガラスに自分で息を吹き込み、成形してオリジナルグラスを作り上げることもできます。

瑠璃庵 長崎市松が枝町5-11 095-827-0737 
9:00~17:00 火曜定休

07

dinner

「始まりの地」出島の洋館で
楽しむ西洋料理

鎖国時代、オランダ人の食事を作るために出島へ出入りしていた草野丈吉が料理を習得し、長崎市内に料理店を開いたのが、日本における西洋料理の始まりです。グラバー園内に当時の建物が保存され、カフェとして今も営業しています。出島の中にある長崎内外俱楽部レストランでは、ランチでは洋食を、ディナーではフレンチのフルコース料理を楽しめます。季節の野菜を使ったスープ、五島沖で獲れた天然鯛、長崎和牛、デザートなどを召し上がれ。

長崎内外倶楽部レストラン 
長崎市出島町6-1 出島内 095-893-8015
11:00~15:00/ティータイム15:00~18:00(OS17:00) 

MORE AUTUMN

クールダウンは川で!大自然の中で「ととのう」

サウナに入って「ととのう!」が、大自然の中でできるなんて素敵だと思いませんか?長崎市の郊外、琴海地区でテントサウナが体験できます。最大4人が入れるテントでじっくり汗を流したあとは、そばの川に入ってクールダウン。リクライニングする椅子に身を預けて外気浴をする流れです。バーベキューやキャンプも合わせて最高の1日にしましょう。

清流と棚田の里 長崎市琴海戸根町2258 090-4359-4743
10:00~17:00 入場料1人500円/サウナ1張3000円 Pあり

水面と月光を客室から眺める料亭リノベ宿

料亭をリノベーションして2020年にオープンした宿泊施設。客室ごとに広さやベッドの配置が違い、大きな窓から月と海を眺めることができます。長崎市の東海岸、茂木地区なので、市内では珍しく朝日が海に輝くのを楽しめます。日本茶インストラクターが監修したプレミアムアフタヌーンティーなど多彩なアクティビティーで上質な時間をぜひ。

月と海 長崎市茂木町2190-7 095-836-2920

〜帆船時代の史跡めぐり〜

知った気になってたことに
気づく奥深さ

長崎市と聞いて思い浮かべる代表的な観光地の他に、こんなにも知らない長崎が。
季節のよい秋には、世界の文化と融合した魅力がギュッと詰まった町を歩くのも長崎らしさを感じる近道です。

01

morning activities

水面を行けば、
坂のない長崎市。

川や海と近い長崎。その景色を、陸上からだけでなく水面から眺めてみませんか?シーカヤックに乗って眼鏡橋近くから中島川を下り、出島表門橋を抜けて長崎港までご案内。港を抜けて女神大橋やその先まで行くロングコースも。出発前に丁寧な説明と漕ぐ練習があるので、初心者でもおひとりでもOK。経験豊かなスタッフの案内を受けながら、坂のない長崎市をスイスイと進む旅には、新たな町の姿が待っています。

シーカヤック長崎 長崎市古川町4-1 090-5942-5222

02

breakfast

歴史を感じる喫茶店には、
歴史に残るおいしさがある。

長崎市中心部にほど近い鍛冶屋町に、戦後すぐ創業した歴史ある喫茶店。遠藤周作の文学作品にも名前が登場するほどに知られており、朝の開店前に行列ができることも。コーヒーは、複数の豆をそれぞれに合わせた方法で焙煎させてからブレンドする「アフターミックス製法」でご提供。こだわりのコーヒーだけでなく、注文を受けてから焼くふわふわのエッグサンドも「しあわせの黄色いサンドイッチ」と評されるほどの名物です。

珈琲冨士男 長崎市鍛冶屋町2-12 095-822-1625 
9:00~17:00 木曜定休

03

tourist spot 01

日本唯一の中国様式霊廟で
見る変面ショー

大陸に近い長崎では、古くから中国と交流がありました。孔子廟は、江戸時代に創建された「長崎聖堂」をルーツに、中国の人々が孔子を祀るお堂として明治時代に建てられた日本唯一の本格的中国様式霊廟。毎年秋に開かれる孔子祭では、牛・豚・山羊が供えられる古式豊かな祭礼「釈奠(せきてん)」で孔子の生誕を祝います。多彩なお面が次々と瞬時に変わる「変面ショー」も定期的に披露されており、見る人を「あっ」と言わせます。

孔子廟 
長崎市大浦町10-36 095-824-4022 
10:00~16:00 
入場料大人 660円 /高校生 440円/小中学生 330円 
2022年の孔子祭は9/17

04

lunch

港と街並みを見下ろしながら
食事を楽しむ展望レストラン

長崎市内の街並みを眺めるには欠かせない稲佐山。南や西には大きな海が見えます。その山頂展望台に2021年オープンしたレストラン。広がる景色を眺めながら、県産品を活かしたコース料理やトルコライスなどを味わえます。2021年に世界新三大夜景にも再認定された夜景の名所としても有名で、1000万ドルといわれる光の海を眺めながらのひとときは格別です。秋には稲佐山中腹の公園近くでモミジもお楽しみいただけます。

稲佐山レストランITADAKI 
長崎市稲佐町364 050-3317-0100 11:30~22:00

05

tourist spot 02

長崎市らしい風景を登った先にある
日本初の商社

坂本龍馬と仲間たちが、倒幕に向けて武器や船などの購入、運搬などを手がけた亀山社中は「日本初の商社」とも言われています。長崎らしい細い坂道を、景色を楽しみながら登ると現れる小さな記念館内には、志士たちの写真や、龍馬がもたれかかっていたとれる柱などが。記念館の近くの「龍馬のぶーつ像」のブーツへ足を入れ、舵輪を握って街を見下ろせば、気分は幕末の志士。少し足を伸ばして風頭山まで登り切れば、港町長崎を一望できます。

長崎市亀山社中記念館 
長崎市伊良林2-7-24 095-823-3400
9:00~17:00 
大人310円/高校生200円/小中学生150円 年中無休 

06

dessert time

小川のほとりにある
コーヒースタンドでほっと一息

浜町近くのししとき川沿いにあるコーヒースタンド「珈琲人町」。メニューは、煎り方によって酸味や苦味が異なる3種類の「人町ブレンド」や世界各地の旬の豆を使った「季節のストレート」など。マスターの奥様が作陶したカップに入ったコーヒーを、店先のベンチでいただきます。また、初心者向けの「朝の珈琲教室(予約制)」を不定期で開催(HPで要確認)。コーヒー発祥の地長崎でマスターから焙煎と抽出を学んでみるのもいかがでしょうか。

珈琲人町 長崎市東古川町4-25-1F 090-7291-0467 
11:00〜19:00(土日は18:00まで) 月曜定休

07

dinner

三大花街で体験する、
芸妓衆との大人の遊び。

かつて三大花街として「江戸の吉原」「京の島原」と並ぶひとつとされた「長崎丸山」。現在も長崎検番の事務所があり、12人の芸妓衆が舞を披露する「立方(たちかた)」と、三味線演奏や唄などをする「地方(じかた)」に分かれ、芸の稽古に励んでいます。芸妓衆を座敷に呼ぶには、提携している料亭から手配をしてもらうことが必要です。長崎くんちなど季節の行事で街中に登場し、芸を見られることもあります。

長崎検番事務所 長崎市丸山町4-1 095-822-0168

MORE AUTUMN

長崎では普通に売られている鯨を味わう

くじらを食べたことはありますか?昔から長崎では捕鯨が盛んでした。高級品扱いとなった近年でも、鯨肉の個人消費量は長崎県が日本一といいます。色鮮やかなベーコンや刺身はもちろん、揚げたり、湯がいたりと様々な食べ方ができるのも特徴です。専門店のくらさきでは多様な商品を扱っているほか、姉妹店のとんぼでは創作料理が味わえます。

鯨専門店くらさき 
長崎市万屋町5-2 0120-094083 10:00~18:00 無休
鯨料理専門店とんぼ
長崎市銅座町11-13 095-820-8234 
18:00~22:00(OS21:30) 不定休

立地も内装もサービスも揃った長崎市の新顔

2021年に新築移転した長崎駅の西口正面にオープンした新しいホテルです。大規模な会議ができるMICE「出島メッセ長崎」に隣接。ビジネスにも観光にも最適な立地です。200室のゆとりある客室のほか、レストラン、ラウンジ、ジム、チャペル、宴会場などを備えています。長崎港や稲佐山といった長崎のランドマークが窓の外に広がります。

ヒルトン長崎 長崎市尾上町4-2 095-829-5111

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