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特異な宗教史を持つ長崎の教会堂


特異な宗教史を持つ長崎の教会堂のコピー文章

古くからポルトガル貿易港として栄えた長崎の町は、全国でもいち早くキリスト教の布教がなされた場所。また、日本最初のキリシタン大名・大村純忠が勢力を増すために長崎6ケ町と茂木、後に浦上村をイエズス会に寄進。安土桃山時代の一時期、長崎の町はイエズス会の領地となり、数多くの"南蛮寺"と呼ばれる教会が建てられた。しかし秀吉、家康の禁教令の発布でそれらの教会は破却され、西坂の丘における26聖人の処刑を皮切りに弾圧時代を迎える。長崎におけるキリスト教の歴史は、そんな幾多の苦悩と哀しみにあふれている。しかし、その時代を乗り越えた後には奇跡とも呼べる感動的出来事が起こる。

国宝・大浦天主堂の正式名は「日本二十六聖殉教者天主堂」。西坂の丘で殉教した26聖人へ祈りを捧げるために建てられた教会堂で、正面は西坂の丘に向けられて建ち、創建時には26聖人を象徴する26個の窓が配されていた。そしてこの教会は浦上地区に潜伏していたキリシタンの子孫が約300年ぶりに名乗りをあげ、世界宗教史上類い稀な奇跡が起こった信徒発見の地でもある。



国宝・大浦天主堂
聖フィリッポ西坂教会
西坂の丘で処刑された26聖人に捧げられた国宝・大浦天主堂は現存する日本最古のゴシック様式の教会堂。度重なる修復により、同色のステンドグラスでも色に違いがみられる。


この大浦天主堂に応えるかのように西坂の丘に建てられているのが聖フィリッポ西坂教会。すでに大浦天主堂が26聖人へ捧げられた教会であるため26聖人の一人、メキシコ人初の殉教者であるフェリペ・デ・ヘスス(聖フィリッポ)の名前が付けられた。天に伸びた2つの尖塔と陶磁器が貼られた外壁のモザイク模様が印象的。小さな教会堂だからこそ感じられる温もりとステンドグラスがはめ込まれた十字型の窓から差し込む光が心を落ち着かせてくれる。

聖フィリッポ西坂教会
聖フィリッポ西坂教会の2つの塔は、殉教者の喜びに地上の人々の喜びが呼応する"天の門"を意味している。
聖フィリッポ西坂教会

カトリック中町教会もまた、西坂の丘で殉教した聖トマス西と15殉教者に捧げられた教会。教会堂は原爆の被害を受けながらも残った外壁と尖塔を生かし再建されたもので晴れた日には白亜の外観が青空に映え美しい。内部の扉に配された主の誕生から聖母の戴冠までを描いたミラノ・グラッシ氏製作10枚のステンドグラスは鮮やかな色彩と陰影のコントラストが素晴らしい芸術品だ。

カトリック中町教会
カトリック中町教会
聖トマス西と15人の殉教者とはドミニコ会司祭、修道士、修道女、また、彼らを助けた信徒達で、迫害が厳しかった寛永10年?14年(1633?1637)に殉教した人々のこと。カトリック中町教会横の庭に記念碑が設置されている。

浦上天主堂は、壮絶な迫害を受けながらも信仰を守り続けた先祖の意志を受け継いだ浦上の信徒達によって建立された。しかし苦労の末建立し、東洋一のロマネスク様式の大聖堂といわれた教会堂はわずか30年で原爆の爆風により倒壊。戦争の傷跡を忘れないようにと、旧天主堂の周囲には原爆遺構が配されている。内部は正面の『無原罪の聖母マリア』、左右に設置されたキリストの生涯を描いた24枚のステンドグラスから柔らかな光が差し込み、神へ、また迫害、原爆に苦しんだ先祖へ祈りを捧げる空間が広がっている。

信徒発見の出来事から浦上の信徒達は公然と信仰を表明するようになり、結果、流配されることとなる(浦上四番崩れ)。流配先では660人が殉教。この流配を浦上信徒達は"旅"と呼んだが、旅から帰ると彼らは、魂のよりどころである神の家・教会を何より欲した。そして建てられたのが浦上天主堂だ。
トロトロ坂


スポット


  • 聖フィリッポ西坂教会" 聖フィリッポ西坂教会  
    列聖100年を記念し、日本二十六聖人記念館と同時期に日本のカトリック系の人々が中心となって建てられた。
  • カトリック中町教会" カトリック中町教会  
    日本二十六聖人殉教300周年を記念し、建立された白亜の美しい教会。聖堂内はステンドグラスから入り込む陽の光に照らされ神秘的な空間が広がる。市指定の貴重な被爆遺構でもある。
  • 大浦天主堂(日本二十六聖殉教者天主堂)" 大浦天主堂(日本二十六聖殉教者天主堂)  
    中世のヨーロッパ建築を代表するゴシック調の教会で、現存する木造教会では日本最古のもの。
  • 浦上天主堂" 浦上天主堂  
    周囲には被爆遺構の石像などが配され、今も原爆の爆風に耐えた一方のアンジェラスの鐘が一日3回時を告げている。
  • 日本二十六聖人記念館" 日本二十六聖人記念館  
    聖フランシスコ・ザビエルの渡来から明治時代までのキリスト教の歴史を紹介する記念館。
  • 出津文化村:出津教会" 出津文化村:出津教会  
    明治15年(1882)、ド・ロ神父の設計施工で建てられた教会(県指定有形文化財)。
  • 黒崎教会" 黒崎教会  
    明治30年(1897)にド・ロ神父の指導で敷地が造成され、同32年(1899)から建設計画が進行、大正9年(1920)に完成した、遠藤周作の小説『沈黙』の舞台ともなった黒崎の地に建つ教会。
  • 沖之島教会" 沖之島教会  
    伊王島港から遠見岳を目指して進むと見えるゴシック式の聖堂が印象的。島の住民の約半数が敬謙なカトリック信者であり、朝と夕方に響く祈りの鐘がこだまする。



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